エンジニアが積極的に転職エージェントを利用しているのには、IT業界特有の理由があります。技術職としてハードウェアやソフトウェアを担当する上で、同じ業種内で分業化されていることが原因で実質的な定年が存在しているからです。
最も有名な定年として、プログラマー35歳定年説があります。35歳以降も得られる給料に満足できるのであれば、続けることも可能ですから定年が存在するわけではありません。
にも関わらず、35歳に到達する前に多くの人が他の職種に転職することが一般的です。
なぜなら、ソフトウェア開発のプロジェクトではプログラマーの仕事は工数で見積もりがクライアント向けに行われます。プログラマーが1日稼働する際の報酬額を1工数分として他社との競合からある程度の水準で決まってしまっていることから、プログラマーとして就業して10年経過した頃には払える給料が上限に達してしまい、転職しない限りはエンジニアとしての報酬額アップが狙えなくなるわけです。
転職エージェントを利用すれば、エンジニアとしてのキャリアアップと報酬面でのアップを同時に実現できるメリットがあります。
忙しい業務の合間を縫って転職先を常時探す必要はなく、キャリア形成を行いながら上位職種への転職機会を常に狙えるので、IT業界においては転職エージェントが果たす役割が大きくなっているわけです。
異業種からの転職組もキャリア形成狙いも、自ら定年を作り出してしまわないように道標として利用するといいでしょう。